人間科学
Online ISSN : 2434-4753
研究論文
九州産業大学における学生相談機能の構築プロセス
小林 純子幸地 英理子
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2024 年 6 巻 p. 38-47

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抄録

本論文では,九州産業大学学生相談室における34年間の学生相談活動を整理し,学生相談機能が構築されてきたプロセスを検討する。学生相談室の支援効果を高める要因の一端を明らかにすることを目的とする。学生相談室の構築プロセスを,人的配置と支援体制の変遷の観点から3期に分けた。第1期は「保健室と非常勤カウンセラーを中心とした相談体制」,第2期は「常勤カウンセラーの配置と,学生支援体制の整備」,第3期は「障がい学生支援の展開と,基礎教育センターにおける相談活動の拡充」として示し,また,別に「コロナ禍の学生支援」について示した。学生相談室の来談件数は,コロナ禍を境にさらに増加している。支援システムの整備を推進する上で欠かせない要因は,支援の実践を積み重ねながら不足事項を浮き上がらせ,繰り返し整備しながら段階を追って拡充していくことである。そして適切な人的配置,カウンセラーと教職員との連携・協働は,支援効果を保つ上で基本的かつ重要な要因である。

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© 2024 九州産業大学
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