2016 年 2 巻 p. 55-62
日本は世界に類を見ないスピードで高齢化と人口減少が同時並行的に進んでおり、住み慣れた地域で自分らしい生活を継続するために地域包括ケアシステムが構築されつつある。一方、精神障害者の社会的入院を解消するため、地域へ退院促進政策が進められている。精神障害者は医療ニーズが高く、生活支援が必要であるという点は高齢者と共通している。精神障害者が地域で安定した生活を営むためには、地域包括ケアシステムの概念枠組みを精神障害者ケアに適用し、共通の資源の活用を目指し、社会保障費の総コストを削減していく必要がある。