抄録
本稿では、知的障害者の援助付き雇用における支援のあり方について、組織間情報移行の観点から、支援情報
の移行過程を整理し、援助付き雇用における個別支援計画の重要性を指摘した。まず、就労移行の過程において、組
織間における「縦の情報移行」のモデルを示した。そこでは、個別支援計画を作成する上で、① PCP(本人中心計画)
の考え方に基づき作成された支援情報、②機能的アセスメントと PBS(積極的行動支援)、③就労準備訓練の目標と
成果が記述されていること、④職場実習で得られた当該個人の「できる」情報が具体的に記述されていることなど、
4 つの条件を挙げた。次に、支援情報が雇用側に移行された後、時間的経過の中で形骸化しないよう、社員間におけ
る「横の情報連環」のモデルを示した。そこでは、「継承」、「更新」、「評価・依頼」の段階が繰り返されることで、
最新の支援情報に書き換えられ、個別支援計画に蓄積されていくことの重要性について言及した。