抄録
不登校の子ども達は、「学校がこわい」とよく口にする。その中には、自閉スペクトラム症という診断を受けている子どももいればそうでない子どももいる。「学校がこわい」ということばの背景には、彼らの持つ潜在的な不安の存在がある。この不安への理解や支援は困難な作業である。そこで、イギリスの精神分析家であるタスティン(Tustin,F.)の自閉症児に対する治療理論と方法に基づいて、中部学院大学人間福祉相談センターに来談した子ども達の面接の記録から、子どもに対する理解と支援について検討を行った。その結果、子どもの体験している世界、子どもの体験をセラピストが言葉にして子どもに伝えること、セラピストと保護者が協力し合うことの重要性について、タスティンの理論が認められ、セラピーの治療的効果が確かめられた。