抄録
本研究では、育児期の母親がママ友をどのように意味づけているかについて、育児期の母親18名に対する面接調査を実施し、その意識モデルの構築を目指すために探索的な検討を試みることを目的とした。また、就業の有無によるママ友の存在の相違についても補足的に検討した。データから、ママ友を母親として必要不可欠なものとして肯定的に捉えるとともに、「一個人としての私」の友だちとして意味づけていると考えられた。同時に、関係の喪失を恐れ、ママ友に気を遣っている可能性も考えられた。就業の有無による相違点は、有職者の母親の特徴として、子育ての困りごとに関する情報の提供や実際に手伝うという道具的な側面にありがたさを感じていたことであった。今後は同一の調査対象者に現在の状況やママ友の意味づけを尋ねる面接調査を引き続き行うとともに、アフターコロナにおけるママ友関係が、コロナ前と比べてどのように変化したかについて検討する余地があろう。