抄録
本研究の目的は、介護実習生が経験する不当待遇およびケアハラスメントや不適切ケアへの遭遇体験の実態を明らかにし、それらと心理的負担との関連性を検討することである。介護福祉士養成2 年課程に在籍する2 年生66人を対象に質問紙調査を実施した。その結果、20.0~36.7%の学生が、必要な声かけが得られないなどの不当待遇を体験していた。また、10.9~40.4%の学生が、努力の不承認などのケアハラスメントを目撃していた。さらに、職員から十分な働きかけが得られない体験や努力が認められない場面を目撃する体験などは、介護実習生の精神的負荷の増大および充実感の低下と有意に関連していた。これらの結果から、介護実習環境を改善するためには、実習先職員による「学生への丁寧な対応姿勢の育成」および「ケアハラスメントに対する意識と理解の向上」が不可欠であることが示唆された。