人間福祉学会誌
Online ISSN : 2435-9254
Print ISSN : 1346-5821
多変量解析による介護職員のリスクとQOL の意識の分析
堀米 史一
著者情報
ジャーナル 認証あり

2026 年 25 巻 2 号 p. 94-101

詳細
抄録
本研究は、介護老人福祉施設職員を対象として、QOL 向上と介護事故・インシデントリスクに関する意識の関連性を明らかにすることを目的とした。東京都内580施設に調査票を郵送し、384件を回収、欠損データを除いた320件を分析対象とした。QOL とリスクに関する21項目を5 段階評価で回答を得て、目的変数を「QOL を上げることでリスクが高くなる」とし、決定木分析(CHAID 法)と多層パーセプトロンによるニューラルネットワーク分析を実施した。決定木モデルの正解率は83.8%で、最初の分岐変数は「QOL 向上とリスク回避のどちらに比重を合わせるか悩む」であった。ニューラルネットワークでは学習データ96.5%、テストデータ94.6%と高い予測精度を示した。 本研究の結果からQOL とリスク回避の優先度について葛藤を抱える職員は、QOL 向上が事故のリスクを高めると捉える傾向が顕著であり、この二項対立的な思考から、両者の調和を模索することが必要である。
著者関連情報
© 2026 人間福祉学会
前の記事 次の記事
feedback
Top