日本保健福祉学会誌
Online ISSN : 2424-0036
Print ISSN : 1340-8194
長時間におよぶ乳児保育の子どもの発達への影響に関する5年間追跡研究
田中 裕安梅 勅江酒井 初恵宮崎 勝宣庄司 ときえ
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2005 年 12 巻 1 号 p. 23-32

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抄録

長時間におよぶ乳児保育利用児の5年後の発達に影響を与えている要因について、育児環境、保護者の育児意識、子どもの属性、子どもの社会適応、子どもの要因、保育時間等の関連を明らかにした。全国認可保育園71園において保護者と園児の担当保育専門職に質問紙調査を実施し、追跡可能であった30名を有効回答とした。その結果、5年後の子どもの発達への関連要因として、家族で一緒に食事をする機会が乏しい場合には「粗大運動」「対人技術」「理解」領域で、また育児支援者がいない場合には「粗大運動」「コミュニケーション」領域で、さらに育児に対する自信がない場合、保育園に適応していない場合には「微細運動」領域で、きょうだいがいない場合には「対人技術」領域で、有意にリスクが高くなっていた。「乳児保育の時間の長さ」はいずれの発達領域でも有意に関連しないことが示された。

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© 2005 日本保健福祉学会
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