抄録
本研究は、肢体不自由者更生援護施設のスポーツ及びレクリエーションプログラムヘの希望及び実施に関連する要因を検討した。対象は、全国身体障害者更生施設における肢体不自由者更生施設の入所申請者反び在所者であり、施設専門職に対して調査票への回答を依頼し、各々631名、992名の回答が得られた。調査項目は入所申請者、在所者共に、性別、年齢等の属性、障害等級、ADL等の身体機能状況、希望または実施訓練内容等であった。その結果、身体機能状況との関連が明らかとなり、スポーツを希望した者においては、ADLを要介助とした割合が高い傾向にあったのに対し、実施している者のADLは要介肋の割合が低い傾向にあった。また、レクリエーションプログラムを希望する者のADLは要介肋の割合は低く、実施している者のADLは要介助の割合が高い傾向が見られた。今後は、身体障害者状況に可能な限り適合したプログラムの作成と実施、及び対象者の理解を促すための情報提供が重要となる。