抄録
デザインというものの捉えられ方は、見た目の美しさといった狭義の意味から、サービスの仕組みや体験価値などを含んだ広義の意味へとシフトしつつある。またイノベーションを創出するための1つの要因として、デザイン思考という言葉も広く聞かれるようになった。しかしながら、そうしたツールを使うことや、ある1つのプロセスの流れをたどることに重点が置かれてしまう傾向が散見される。本稿では、P2Mモデルとデザイン領域との関連性を述べるとともに、P2Mの考え方を援用した、イノベーション創出の為のデザインにおけるプログラム思考を提唱する。また事例考察を通してその有用性を明らかにした上で、今後の研究に向けた方向性を提示するものである。