抄録
前報では、治験の症例集積率を向上させるためには、ステークホルダーの自発的な参加を促すインセンティブ形成の場と、人を介したコミュニケーションが必要であるという示唆が得られたことを述べた。しかし、わが国の治験実施体制では、患者を含むステークホルダーが一堂に会する場は実現されていない。本報告では、希少医薬品(オーファンドラッグ)に対する国内の新しい活動を創薬プログラムと捉え、被験者(患者)参加型の創薬プラットフォームを構想する。すでに、米国の医薬品開発で活動しているMMRF/MMRCプラットフォームを参考に、プラットフォームが備えるべき機能とマネジメントの要件を述べる。次に、我が国の再生医療の研究開発で機能し始めた産官学連携プラットフォームを参照し、創薬開発プログラムの課題を考察する。