国際P2M学会誌
Online ISSN : 2432-0374
複雑な社会的プログラムによる持続的価値創出のためのマネジメントの枠組みに関する検討
政府開発援助(ODA)事例による検討
沖浦 文彦久保 裕史
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2016 年 11 巻 1 号 p. 213-230

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抄録

政府開発援助(ODA)では、特定地域社会が広く裨益する「社会的プログラム」を対象とすることが多い。社会的プログラムはミッションが開始時点では具体的でなく、かつ多数のステークホルダーが関係する複雑な構造を持つ。本論文は、ベトナムにおける農業開発とカンボジアの上水道開発の事例を検討し、プログラムが対象とする問題群の構造、価値創出のためのプロセス、望ましいプロファイリングと統合マネジメントのあり方の具体的留意点を抽出した。更にその結果をP2M理論により考察し、望ましい価値創出のための全体マネジメントの枠組みの提案及び、プロジェクト群のプロファイリング及び統合マネジメントのあり方の提案をおこなった。更にステークホルダーマネジメントに関する留意点の検討と、当事者に対する外部介入の望ましい役割を検討した。

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© 2016 International Association of P2M and Authors
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