抄録
IoT事業におけるLPWAアライアンスは、通信方式によって使用できるネットワークが限定されるため、キーストーン企業を通信業者、デバイスメーカーをニッチ企業とするエコシステムと位置づけられる。顧客への価値創造では、ニッチ企業であるデバイスメーカーの商品力が重要なキーファクターとなるが、デバイスメーカーにとって通信方式は選択可能のため、キーストーン企業である通信業者がいかにニッチ企業を惹きつけられるかが決定的に重要である。
本稿では、このような両者が、協業し価値創造を進める際に、自律的で円滑な関係性を維持し、アライアンスとして最大限効果を発揮できるようにするために、プログラムマネジメントを活用することを提案する。特にプラットフォームマネジメントを活用することが有効である点について、日本におけるSigfoxアライアンスを展開する京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)を例として論じる。