抄録
我が国のインバウンド振興は、観光立国政策だけでなく地方創生政策にも位置づけられている。しかし、これらの施策の連動には課題があることが指摘されている。本研究では、インバウンド振興が観光立国と地方創生の両政策に貢献できるようにするため、国際文化交流プログラムを基軸とした観光地域づくりを実践した。国際文化交流プログラムの試行を通じて、P2Mによる地域づくりと主体形成、個と全体利得のマネジメント、異文化マッチングに関する知見を得た。これらの知見からインバウンド戦略を構築する上での課題を整理し、P2Mによる課題解決の一例を示すとともに、地方創生に資する地域ビジネスへの発展性について考察する。