抄録
CSR(企業の社会的責任)が、コンプライアンス、環境マネジメントに加え社会貢献活動など、事業活動のひとつの要素と位置づけられてきたが、CSV(共通価値の創造)は、事業活動自体と関連し、経営戦略的共通価値の創出が目指されている。
本研究では、社会貢献活動を主体的に行ってきた民間環境助成団体の包括的活動をプログラムと定義し、「あるべき姿」として社会的価値の創出を通じ、事業価値や競争力を確立する長期的プロセスを分析する。具体的には、P2Mの「プロファイリングマネジメント」および「価値指標マネジメント」を適用し、助成団体等へのアンケートを通じ、共通価値となる「コモンズ」の創出に着目した分析・考察を行った。多様なコモンズの創出に繋がる、4つの里山類型におけるアプローチを明確にした。
P2Mが、里山を中心とした環境領域において、複層的な価値創出のために有効であり、地域社会における持続性、社会全体の持続性に寄与すると結論づけた。