VUCAな時代を背景に企業のDXへの要求が更に加速することが予測されている。DXの目的の一つであるビジネスアジリティを実現するソフトウェア開発は、同時に複数のソフトウェア開発を短いサイクルで繰り返しながら開発するケースが増えている。筆者らが2021年に「DX向けRPAプロジェクトへのP2M理論の適用」で提言した「DX向けRPA開発フレームワーク」が対象としている特定業務においても同様の要求が増えている。提言したフレームワークは、単一のアジャイル開発に対応しているが特定業務開発の要求を踏まえ複数アジャイル開発に対応する拡張を実施した。その特徴は、複数アジャイル開発の課題となった開発プロジェクト間でのリズムのズレを連動させる課題についてP2Mのプログラムマネジメント理論を適用して解決した点であり、DX向けアジャイルソフトウェア開発のプログラムマネジメント事例として解説する。