2023 年 17 巻 2 号 p. 105-132
本論文は、フィリピンにおける治水対策にかかるODAプログラムを詳細分析し、不確実性、複雑性、曖昧性を持つことに加え、超長期的に取り組む必要があるDRRの特徴を捕まえて、「上部システム」と「下部システム」が連関しながら、「システム」として曖昧な「あるべき姿」に向かって価値を創造するモデルを示し、両システム間の連関を生み出すには行政が機能することが肝要であることを明らかにした。また、「治水」に関連したプログラムでも国によってその方向性は異なることも明らかにした。