国際P2M学会誌
Online ISSN : 2432-0374
自立的失敗知識活用モデルの提案 : プロジェクトの失敗を組織で活用する
井上 美和夏青山 敦
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 8 巻 2 号 p. 83-92

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抄録

近年、開発現場の多拠点化や国際化等、日本企業は大きな転換期を迎えている。このような変化によって、人材の流動化も促進され、今までのような人を媒介とした知識の蓄積や共有が困難になってきた。そこで、本稿では、組織で知識が共有される条件を、自立的失敗知識活用モデルを用いて明らかにする。本モデルは、共有したい知識を定義し、登録までの手順を明確にする。そしてその知識を、日常利用する設計開発プロセスに組込む。ある製造業に本モデルを適用したところ、共有知識の有用性が増加し、確実に知識が登録され、利用度の向上がみられた。更に、知識の登録実績や利用実績を設計開発プロセスの中で確認することで、特定の人が知識共有を推進することなく、設計開発者が自立的に知識を登録し活用することを確認できた。

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© 2014 International Association of P2M and Authors
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