国際プロジェクト・プログラムマネジメント学会誌
Online ISSN : 2432-9894
大学発ベンチャーと製造業とのかかわりにおけるP2Mコミュニケーションマネジメント
山本 佳世子亀山 秀雄
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ジャーナル オープンアクセス

2011 年 5 巻 2 号 p. 115-126

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抄録

大学発ベンチャーは上場を前提とした経営学や政策の視点で議論されることが多いが、日本では上場志向が弱く、産学連携において産と学をつなぐ"大学発"特有の役割を明らかにする必要がある。大学発ベンチャーのプロジェクトをP2Mの観点からみると、大学人などの発明者と外部の企業人の間で行われる、技術を共通基盤としたコミュニケーションマネジメントが重要である。本研究は大学発ベンチャーの発明者に対してアンケートを行い、製造業との共同研究と、製造業による大学発ベンチャーの製品購入というかかわりが強く、将来も希望していることを明らかにした。大学発ベンチャーが技術を通して、日本のものづくり企業の研究開発を支える役割を果たす形である。大手製造業に対するアンケートも行ったところ回答が一致し、適切なコミュニケーションが成立しつつあることを確かめた。

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© 2011 一般社団法人 国際P2M学会及び著者
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