抄録
我国の主要製造業企業約680社について、設備投資および情報投資と企業業績との関係を、2002年度から2008年度にわたる有価証券報告書の財務データにもとづいて検討する。具体的には、企業業績として連結経常利益をとり、その業績には設備投資、情報投資が寄与するものとして分析する。その結果、一部の企業を除いて、既に2007年度に業績悪化が認められているが、金融危機によりさらに業績が悪化している。予想されるように、業界毎にあるいは同じ業界でも企業ごとに差があることが分かった。これらの検討結果にもとづいて、我国製造業の将来について考察する。