抄録
従来の経営戦略論は、明言されてはいないが、主として個々の企業と国内市場を念頭において展開されていたように思われる。しかし今や、いうまでもなく、多くの企業は国内外に数十社から数百社におよぶ連結子会社と提携会社を持つ企業グループを形成して、グローバル市場で企業活動を展開している。すなわち、その企業自体のではなく、企業グループのグローバル市場に向けた戦略が求められているといえよう。しかも、その戦略の実行にはスピードが求められており、M&Aによるグループの再編も日常的な行事になっている。したがって、経営構造も本社集中型から幾つかの地域ごとの自律分散型に変わりつつかる。そこで、グローバル戦略構造と経営の構造について検討する。