抄録
高まる不確実性の中で、高業績企業は、新製品をタイムリーに市場投入して独自性を訴求している。その鍵は、巧みなプログラムライフサイクルマネジメントに隠されている。その主要な機能は、製品、工程、事業を意図する複数の開発プロジェクト間で発生する複数の異なるライフサイクル統合管理である。本論ではシンボリックな事例研究を選択し、その基幹教示をアブダクションにより枠組みと個別理論選別のロジック基盤とする。とりわけ、開発戦略ロジックと連動したコンカレントアプローチは、プログラムベネフィット獲得に重要である。R&D(Research & Development)とM&D(Marketing & Development)のハイブリッド法は、新たに詳説する。異なる不確実性レベルの下で、プラットフォームと連動した柔軟なオプション設計にLPS(Lifecycle Package Structure)を導入し、意思決定にリスク低減を提唱する。P2Mロジカルコンテキストは、オープンイノベーションのトレンドとも整合する。