抄録
IT業界でPMBOKが広く普及している背景には、社会のニーズと技術の進歩によるパラダイムシフトを繰り返しながらも、顧客企業向けの受託計算業務から始まって、ソフトウェア開発、システム運用・保守などの受託型業務を中心に成長してきたことが挙げられる。しかし、これからクラウドコンピューティングをキーワードとする「コンピュータもソフトウェアもいらない時代」にシフトしていくIT業界において、これまで受託型業務で適用してきたプロジェクトマネジメントの手法では対応できないと考える。本稿では、受託型業務から価値創造型事業への転換期を迎えたIT業界におけるP2Mの有効性と課題について論じる。