抄録
オフィスビルにおける空調のエネルギー使用量を削減することは、これから省エネルギー対策の重要な課題であり、多くの企業が取り組んでいる。その中で市場をリードする技術開発を行うには、オープンイノベーションによる戦略的イノベーションの遂行が必要である。この事業を創発させるため、P2M理論を適用させた協業プラットフォームで、各ステークホルダー間での相互作用によりイノベーションを創出する提案を前報で行った。本稿では、協業プラットフォーム内の複数のステークホルダー間での合意形成を進めるために、ロジックモデルとバランススコアカードを活用した取り組みを紹介する。また、従来のロジックモデルとバランススコアカードに「顧客のメリット」を構想手段とすることで両ツールの有効性について考察する。