抄録
2011年3月に発生した東日本大震災では、直接被災していない企業にも影響する程の規模でサプライチェーンの途絶を引き起こしたことは記憶に新しい。これは個々の企業が当たるに際して、他社BCPとの関連性を顧みないままBCPに基づく復旧を実施したことで、需供バランスが崩れた可能性がある。したがって、BCPに基づく復旧ではSCM全体の状況をモニタリングし、統合的にマネジメントすることが必要となる。本論では、P2Mフレームワークを援用して、BCPプログラムマネジメント機構が各社のBCPをプロジェクトとして統括し、状況に合わせて各社のBCP遂行を調整し、状況により其々のBCPを変更していくための手法を検討したので報告する。