抄録
ICT技術の発展とともにICTの利用ないし活用方法は変化を遂げ、インターネット普及以降は、ICTの目的や役割は、戦略実現を通した競争優位の獲得へと変革した。このようにICTの利用ないしは活用は変化したがICT投資を評価する方法の開発は進んでいない。このような状況を改善するために、本研究では、戦略実現や競争優位獲得のためにはICTをはじめとする多様な資源が活用されることから、相互依存関係がある複数のプロジェクトを扱う概念である「プログラム」をICT投資に取り入れ、ICT投資は新価値創造や業務改革などの「戦略プログラム」として投資評価されるという考え方を提起し、ICTの戦略的評価の具体的方法の提案を行う。