抄録
メーカーのものづくりの場で研究開発(以下 R&D)成果を商品化に導く際、いわゆる死の谷が存在することが知られている。本研究では、死の谷を克服する手段として IBM のプロジェクトマネジメント(以下プロマネ)体系であるIPDを改良し、リコーR&D 部門を中心にそのプロマネ手法を組織横断的に適用した。その結果、R&D へのプロマネ手法がテーマ推進の効率化をもたらし、商品化橋渡しに有効であることを示した。さらなる改善には、事業部側でも技術受け入れ組織を設置してプロジェクトを立ち上げ連携させるなど、R&D 部門と事業部門双方でのプロジェクトをプログラム視点で運営するP2Mや3Sの考え方が不可欠であることも示された。