抄録
失われた10年以降、日本経済の停滞や新興国の産業の躍進により、日本の製造業は厳しい経営環境にある。消費者が付加価値を感じ、購買意欲を促す技術的に優位性がある商品や、新規制のある商品開発は製造業にとって重要な課題である。筆者らは、規模は小さいながらも機能集約型組織を有する商用自動車メーカで幾多の先進的な製品(国内初、世界初)を上市してきた。本研究では、製品開発に大きな役割を果たした機能集約型組織について、創設の背景、組織の機能、開発実践事例を説明する。続いて、これらをP2Mの3Sモデルの視点から考察し、今後の企業R&Dにおける組織の在り方について提案する。