抄録
現在自動車業界は自動運転を中心として「100年に1度」と言われる大変革期を迎えている。その中でAIに使われる半導体はその中心をなし、従来の系列的な開発体制からの脱皮を図ろうとしている。そのためビジネス・エコシステムにおける位置取りを模索している状況にある。そこで本研究ではパソコン業界で成功した部品メーカの戦略構築をP2Mの視点で一般化し、自動運転車用半導体メーカに活用して自動車業界でも成立させられるのかの検討を試みた。また得られた戦略の妥当性を確認するために半導体メーカのコンソーシアム構築の事例に当てはめて検証した結果、半導体メーカが採用している施策と、得られた戦略が符合していることがわかった。同時に大きな相違点として技術の開示範囲であることも明らかにすることができた。P2Mを利用した業種間を跨いだビジネス・エコシステムの活用は従来事例がなく新規性があると考えている。