国際P2M学会研究発表大会予稿集
Online ISSN : 2432-0382
ISSN-L : 2432-0382
2020 春季
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二重関心モデルに基づく協働的メンバ編成に向けた疑似的コンフリクトの適用方法の提案
*松本 拓真田隈 広紀
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p. 310-323

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抄録
従来コンフリクトは基本的にプロジェクトの中で悪いこと、回避すべきものという認識であった。しかし最近ではコンフリクトは避けられないものであり、変化の自然な結果であると見なされ、うまくマネジメントすれば新たなアイデアの創出等の成果に有益につながると見なされるようになった。一方でビジネスの場では、人の感性や調和や協調性を重んじるあまり対立や衝突を良くないものとして、未だに避ける傾向がある。このことからプロジェクト内での密な意見調整や連動が妨げられているのではないかと考える。そこで本研究では、コンフリクトを避ける傾向にあるチームに対し疑似的にコンフリクトをかけ、協働的メンバ編成の編成を促進する手法を提案する。これは二重関心モデルに基づいて仮定した、コンフリクトを避ける傾向にあるメンバに疑似的にコンフリクトをかけることで協働的なメンバの編成を図るものである。その本研究における「疑似コンフリクト」を用いた実証実験の結果、コンフリクトを避ける傾向にあるメンバ同士にもコンフリクトを生じさせることができ、自身の意見を積極的に主張する能力の向上、チームメンバ間の結束力につなげられるということが確認できた。今後は実際の短期、長期のプロジェクトでの適用及び適用方法の模索。また、より正確なデータ収集をし、正確な研究結果を残すため実証実験を行っていく。
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© 2020 International Association of P2M and Authors
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