抄録
複雑性・多様性・多義性が交錯する現代においては、利害関係者の合意による事業構造を迅速にデザイン・実装・運用することが重要である。本研究では、P2M のミッション志向に対するシステムズアプローチの分析と合成の手法に基づき、不確実性に強い事業デザイン立案の仕組みを提案する。本仕組みは、個人と集団における「発想」の仕組みに、アーティストやアスリートの所作から学んだ「ずらし(差異の知覚)」と「もたらし(触発による省察)」を取り入れたものである。「発想」の分析と構造化の反復を促し、アイデアの多様化と精緻化を経て生まれたアイデア群を適切な評価の「折り合い」の下で事業のプロジェクトのシナリオを導き出す。本仕組みは、3S モデルにおけるスキームモデルの方向性を示すものである。