抄録
本研究の目的は学術的にも実務的にも注目が集まりつつある地方のスタートアップ・エコシステムについて、その創出過程における課題を抽出し、政策提言を行うことである。具体的には、内閣府の「世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略」で推進拠点都市に選出されている北海道及び札幌市を調査対象とし、起業家、投資家、支援組織担当者に対してインタビュー調査を行うことで、現場におけるスタートアップ支援の課題を抽出する。その結果をP2Mフレームワークの3Sモデルを用いて整理した上で、創造的統合マネジメントにおいて示される6つのマネジメント手法の観点から、今後地方において取り組むべきスタートアップ支援プログラムの方向性や運用方法の具体的な提言につなげる。