本研究の目的は、現在の日本企業における経営企画部門の役割と課題を明らかにすることである。研究課題を明らかにする研究方法として量的研究と質的研究がある。共に研究上の限界があるとされるが、質的研究には多様なアプローチがある。その一つがインタビュー調査である。
本研究において、上場企業の経営企画部門担当者に対してインタビュー調査を行った。参加者に対して様々な視点を考慮に入れてインタビューし、その結果を分析し方法と理論の適切性を検討している。本インタビュー調査は既に行ったアンケート調査1 を踏まえて実施したものである。内容の分析にはインタビュー中の語句の使用頻度の状況や関係性の分析ができるテキストマイニングの手法を使用した。内容は各設問回答に特徴的な語句の関係性が明らかとなった。企業の経営企画部門の担当者にインタビューすることにより実際的で具体的な実像を聞くことができたことから、各社のインタビュー調査の内容を分析することにより、経営企画部門の役割と課題の一端を明らかにできたと考える。
結果は経営企画部門の役割は拡大、変化し、経営課題に社会課題の解決を盛り込むことが必要となっていることであり、その実態や対策がより明らかとなった。その他、部門のマネジメントの課題、経営リーダー育成の役割、企業利益への関係性も具体的に明らかとなった。経営企画部門の役割は企業経営において重要な役割を果たしている。