抄録
姉妹都市提携は当初は平和運動の一環であったが、戦争体験が遠のくにつれてその目的が文化・教育交流や経済連携へとシフトしてきた。秋田県の自治体の有する22の姉妹都市提携の中では秋田市とウラジオストク市(ロシア)との姉妹都市提携および秋田県と沿海地方(ロシア)との姉妹都市提携が経済連携としての意義を持ちうるが、この2つは例外的なものである。一般に、地方都市が他国の地方都市と経済連携の実を挙げられる状況は限られており、地方都市にとっての姉妹都市提携の意義は文化・教育交流としてのそれが中心になる。目的と手段を明確にしながら、長く続けられる姉妹都市事業を展開していくべきであろう。