抄録
少子高齢化が著しく進む秋田県では、働き手の不足から全国と同様に外国人材の受け入れが増えている。中でも、技能実習生は在留資格別で最も多く、企業の労働力を支える重要な役目を担っている。しかし、県内の受け入れ体制や支援の整備は進んでいないのが現状だ。受け入れには、言語や文化の違い、受け入れ事業所の金銭的な負担というような様々な課題がある。また、外国人材の需要は国際的にも高まってきており、単に「働かせる」のでなく技能実習生ら外国人労働者を1人の人間として考え、彼/彼女らが日本や秋田県での生活に価値を見いだせる環境がなければ、外国から十分な労働者を集めることは難しくなっていくであろう。秋田県と技能実習生の双方にとってメリットが
ある受け入れ体制に必要なことを整理するため、近年増加しているベトナム人の技能実習生に焦点を当て、受け入れ事業所や技能実習生、送り出し機関などへのヒアリング調査を行った。外国人技能実習制度の実態と課題を明らかにした上で、公的支援の充実、受け入れ先としての秋田県のPR 強化、受け入れ側と技能実習生間の理解促進を提言するものである。