IATSS Review(国際交通安全学会誌)
Online ISSN : 2433-4537
Print ISSN : 0386-1104
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日本におけるあおり運転の事例調査
-先行研究のレビュー結果を踏まえて-
矢武 陽子
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2019 年 43 巻 3 号 p. 197-204

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抄録

2017年6月に神奈川県内東名高速道路上で発生したあおり運転等に起因する死亡事故が発端となって、あおり運転の危険性が日本で注目されている。しかしながら、同運転行為は今に始まったことではなく、古くからイギリス等で研究されてきた。そこで、この調査では、先行研究をレビューし、そこで明らかになった特徴が日本の事例で当てはまるかを検証し、日本におけるあおり運転の特徴を明らかにすることとする。過去の研究では、年齢が若い、男性、社会的階級、場所および時間、きっかけ(トリガー)が攻撃的運転の要因になっていると提唱している。本稿での事例調査は、自動車運転死傷処罰法に基づく危険運転致死傷罪(妨害目的)が適用された事件を対象とした。その結果、年齢、性別、社会的階級、きっかけ(トリガー)および運転態様については、先行研究と似たような特徴が見られたが、時間では見られなかった。

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© 2019 公益財団法人 国際交通安全学会
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