2020 年 45 巻 2 号 p. 125-133
2011年3月11日東日本大震災が発生した。まさに未曾有の大災害であり、筆者らは2003年から開始した通信型カーナビの車両プローブデータから、ライフライン上、極めて重要な被災地エリアの道路通行実績情報を生成し、翌朝から公開をした。その情報は、被災地に向かう人々の救援支援に活用された。一方、近年災害が多発傾向にある中で、現在の災害情報は市町村単位での提供が主流で、移動者にとっては目的地までの移動に役立つ防災情報が得られていない。ここでは、モビリティにおけるデータを活用した防災や減災情報の実用例と、自動運転時代やスマートシティを見据えた取り組みについて報告する。