IATSS Review(国際交通安全学会誌)
Online ISSN : 2433-4537
Print ISSN : 0386-1104
45 巻 , 2 号
自然災害と交通・インフラ
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
論壇
特集:自然災害と交通・インフラ
特集にあたって
報告
  • -鉄道における新たな防災・減災対策「計画運休」について-
    河原 吉秀
    2020 年 45 巻 2 号 p. 88-99
    発行日: 2020/10/31
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    近年、わが国の多くの鉄道事業者において、大型の台風等が接近・上陸し、長時間にわたっての駅間停車や途中駅での運転取り止めが発生する可能性がある場合に、乗客の安全確保等の観点から、広範囲にわたる路線において、全ての列車を運休することを前広に計画し、情報提供した上で運休する「計画運休」が実施されている。本稿では、鉄道における降雨・強風災害への防災・減災対策の概要を述べた後、近年、新たな防災・減災対策として急速な広がりをみせている「計画運休」について、その経緯、意義、実施に当たってのポイント等を、国土交通省鉄道局で取りまとめた「鉄道の計画運休の実施についての取りまとめ」に沿って述べる。

紹介
論説
  • 伊澤 正興
    2020 年 45 巻 2 号 p. 109-116
    発行日: 2020/10/31
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    20世紀初頭、アメリカ連邦治水法の特徴は低予算で流域開発優先の堤防事業であった。だが、1927年ミシシッピ川大洪水を機に、堤防万能論は否定され、総合河川管理が主流となった。連邦治水事業の大規模化に伴い、国の費用負担が増大するにつれて、地方負担の引き上げが要求されたが、連邦と地方の費用分担は、政治的取引、経済状況、省局間の権限争いに左右された。戦後、一貫性を欠く費用分担システムに対して、一律費用分担法案が議論され、1986年の水資源開発法において、一定の負担比率が定められるようになった。

論説
  • 坂本 淳
    2020 年 45 巻 2 号 p. 117-124
    発行日: 2020/10/31
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    東日本大震災を教訓として津波防災地域づくり法が制定され、津波浸水想定が見直された。全国の海に面した地方都市では、従前からの課題であった人口減少・高齢化に加え、津波災害リスクを踏まえたまちづくりが求められるようになった。本稿ではまず、新たな津波災害リスクに対応した制度と事例について概説する。次に、中心市街地の大半が津波浸水想定区域となる都市において、津波災害リスクを意識して居住地を選択する住民は、従前の住まいよりも交通利便性の低い場所に住む傾向にあるという仮説を立て、それを検証することを試みる。高知市で調査を実施し、得られたデータを分析したところ、仮説を支持する結果が得られた。行政はリスク情報の提供だけでなく、減災に向けた計画的なインフラ整備を推進すべきであるといえよう。

報告
  • 今井 武
    2020 年 45 巻 2 号 p. 125-133
    発行日: 2020/10/31
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    2011年3月11日東日本大震災が発生した。まさに未曾有の大災害であり、筆者らは2003年から開始した通信型カーナビの車両プローブデータから、ライフライン上、極めて重要な被災地エリアの道路通行実績情報を生成し、翌朝から公開をした。その情報は、被災地に向かう人々の救援支援に活用された。一方、近年災害が多発傾向にある中で、現在の災害情報は市町村単位での提供が主流で、移動者にとっては目的地までの移動に役立つ防災情報が得られていない。ここでは、モビリティにおけるデータを活用した防災や減災情報の実用例と、自動運転時代やスマートシティを見据えた取り組みについて報告する。

報告
投稿
論文(査読)
  • -教習所コースと一般道路での関連-
    蓮花 一己, 多田 昌裕, 朴 啓彰, 木村 年晶
    2020 年 45 巻 2 号 p. 143-153
    発行日: 2020/10/31
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    高齢ドライバーの一時停止交差点での運転行動を、教習所コースと一般道路で分析し関連を調べた。自動車教習所で高齢ドライバーに質問紙の調査および教習所コース走行を行い、指導員評価およびドライブレコーダー評価を得た。その後、自家用車にドライブレコーダーを設置し、一般道路での運転を記録した。一時停止交差点を対象として、ドライブレコーダー評価と指導員評価の両面から教習所コースと一般道路での運転評価の関連を分析し、有意な関連性を実証した。教習所の一時停止交差点での運転評価によって、一般道路での運転が予測可能であることを示した。

ノート(査読)
  • -英国におけるケーススタディから-
    三浦 詩乃, 森下 恵介, 中村 文彦, 秋山 尚夫
    2020 年 45 巻 2 号 p. 154-163
    発行日: 2020/10/31
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    本研究は、街路にプレイス機能を位置付けたLink and Place理論に関する基礎的研究である。国際的な街路空間再配分実務への理論の適用実態と理論の発展状況に関する文献およびヒアリング調査、ケーススタディを行った。プレイス機能への需要を解釈する上で、潜在需要と顕在需要を区別しながら、これらの分析を行い、日本の街路交通マネジメント実務への適用に向け、理論の改良方針を示した。具体的には、潜在需要の推定時に交通結節点の重みづけを行うこと、住宅地域において、滞在確率を顕在需要の指標とすることを提案した。

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