印度學佛教學研究
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機關木人――仏典におけるロボット――
趙 悠
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2023 年 71 巻 3 号 p. 1016-1020

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抄録

 インド古典文献において,機関木人は一種の比喩で,行為主体の有無の問いとして使われている.ジャイナ教徒とヒンズー教徒にとって,機関木人(ロボット)はただ生命をもってない身体のみを表示するので,この比喩には別の「自我」が必要とされる.これに対して,仏教徒にとって,機関木人という比喩は無我教義の文学性論証として使われている.本論は仏教側に注目し,紀元前に成立した二つの比喩用例を詳細に比較してきた.機関木人が直接に比喩対象として使われ,あるいはこの比喩を使って,うまく叙事の一部分としてストーリーを組み立てる二種の使い方を発見した.さらに,これらの代表的な事例を考察し,仏教におけるこの比喩の使い方,及び仏教思想の発展に伴う使い方の変化も明らかにする.

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© 2023 日本印度学仏教学会
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