電氣學會雜誌
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送電線に於ける電氣振動
丸毛 登
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1923 年 43 巻 418 号 p. 389-416

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抄録
本註は送電線に於ける高周波電話或は送電線の故障或に開閉器の開閉弧光接地等の種々の原因によりて、送電線に起る電氣振動現象な幾分なりこも理解し易からこめやうごして書かれたるものである。先づ分布電氣容量こ分布インダクタンスから成立つて居る送電線の送受兩端に蓄電器こ線輪よりなる導線綱を接續したこ状態の共振電波長な一般方程式から導き、次に送電線の抵抗を無視した場合に於ける共振架空線回路の電壓電流の分布を論じた。進んで538米の長さを有する並行架空線に就て其共振電波長な測定し、又之に共振電波長の不減幅電流を加えた塲合に架空線に定常波が發生するここを實驗し是等の結果がよく理論こ一致するここな示した。
特別高壓送電線に於ける高周波電話に架空線に於ける電氣振動現象を應用したものであつて之な實用するには耐高壓蓄電器を送電線に接續して送電線接地回路を振動回路こして使用するものこ、送電線の下に設けたる平行線條によりて高周波式電話器こ送電線間に振動電流を送受して行ふ方法こがあろ。前者に就ては筆者は1920年6月發行米國無線工師會へ發表したこがあるから茲には後者の方法に就いて述べた。此方法は又筆者等に依りて1920年9月本邦待許が得られて居る。
是等の兩方法による高周波電話に最近歐米各國で盛んに利用ぜらるる様になつたが是等の研究に全く海外に於ける研究こ獨立して行はれたこものである。尚本研究は茨城縣平磯町電氣試驗所平磯出張所で1920年に行はれたもので其後進んだ研究も行はれたが夫等は後の發表に譲るこことする。
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