電氣學會雜誌
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定速度誘導電動機
礒野 達一郎
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1925 年 45 巻 438 号 p. 117-126

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抄録
多相誘導電動機は其れが生ずる廻轉界磁束の廻轉速度と同一速度にて廻轉する事が出來ずして何分か其れより遲れたる廻轉数即ち滑り(Slip)を有する物である而して其の滑りの大さは負荷の大小に依り變化するが故に同期電動機の如く固定的の廻轉數を示電動機に比すると何分かFlexibilityの度が大である、此の點が誘導電動機の特長であるが又短所とも考へられ、同期電動機は定速度電動機であるが速度調整法が因難である所から速度を變化調整する爲には誘導電動機が用ひられる然るに誘導電動機は定速度運轉を爲す事が因難であるから茲に定速度誘導電動機の必要が生じて來る。
著者は誘導電動機と一種の周波數變換機との組合せに依り一次周波數一次電壓及び負荷の變化に對して全く無關係に一定なる速度を保ち得る電動機の組合を説明して居る、其の主眼とする處は誘導電動機の廻轉數nが一次周波數f1と二次周波f2との差に比例して變化ナる爲に(f1-f2)の値を一定なる値に保つが如き周波數變換機を用ひたる物にして電動機の極数をPとすれば
n=120(f1-f2)/P r.p.m.
周波數變換機の生ずる二次周波數が丁度一次周波數と二次周波數との差を一定なる値に保つ樣こ變化する構造を有する物を撰び其の廻轉數を一定なるn'に保てば
120(f1-f2)=n'P'
を満足せしめ、上記のnの式より
n=n'P'/p
P'は周波數變換機の磁極數、
P.P'は一定なる數である爲nはn'に比例しf1, f2等には無關係となる、著者は又n'を一定に保つ事の極めて容易である事を精しく述べて居る。
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