抄録
交流及び減衰振動放電による、沿面放電の時間的經過を究めんとして、筆者は、廻轉電極上に捲かれたる、コダツク•フイルム上に放電せしめ、そのLichtenberg's figureに就いて、實驗的考察を試みて居る。
減衰振動放電による沿面プラツシユは、その最初の半波に於て生じたるチヤージが、次の半波に於て起る放電形に、多大の影響を與へる事を、實驗的に看察して居る。
猶ほ、かかる装置により得たる沿面ブラツシユは、それに加ふる電源の、簡單なる一つのオツシログラムと見做さるる事を、提言せんとするものである。
最後に、此の實驗に用ひたる減衰振動放電の周波數は、廻轉鏡による測定の結果、その最小値が約1.1×105サイクル/秒なることを示してゐる。