電氣學會雜誌
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小型Hornが高聲器の特性に及ぼす影響
中井 將一
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1928 年 48 巻 474 号 p. 26-37

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抄録

從來他の多くの著者に依つて、動イムピーダンスの測定其の他の方法に依り、高聲器の周波特性を試験した結果によればhornを附加した場合に、その高聲器はmulti-resonant systemとなり、それが波特性の改善の一助となるのが普通である。本論文で筆者は、動イムピーダンスの測定により、極めて小さなhornを有する、高聲器の周波特性を考究し、それがmulti-resonant systemとは異なりある、特別の周波數に於ける、共振が顯著に現れて起る以外にはhornを取り外した場合と、大差ないことを示した。hornが小さければ従って、その開きが急激になるのが普通てあるから、大きいhornを付けた場合に比しdampingの作用を減ずると共に、反射が著しくなり特性の改善に與る所は甚だ僅かになるのみならずhornの共振振動數が高くなり、振動板のそれに近づいた場合には、それに起因する特異な現象を生ずる事がある。

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