電氣學會雜誌
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交流電橋用無損失空氣蓄電器並に其の應用に就て
小川 一清
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1928 年 48 巻 485 号 p. 1278-1298

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抄録

無損失空氣蓄電器を得る方法として、空氣蓄電器の兩極板の間に空氣以外の誘電體を少しも置かない工夫は既に發表されて居るが、之を完全な接地裝置を施した交流電橋に用ふるときは、普通の蓄電器の損角の測定、インダクタンス線輪の實效抵抗及びインダクタンスの測定、抵抗器の殘留靜電容量の比較等を精密に且つ容易に行ひ得ることを述べてある。先づ第一節緒言の後、第二節に於てこの原理に基づき著者の設計試作した無損失固定空氣蓄電器及び無損失可變空氣蓄電器の構造を述べ、第三節に於てこの二つの蓄電器が最初の豫想通り無損失であることを實驗によつて確かめてある。次に第四節に於てはこの原理の空氣蓄電器は靜電容量の標準器としても適當であることを述べ、その靜電容量を抵抗と周波數とより測定する方法を述べてある。次にこの無損失空氣蓄電器の應用として、普通の蓄電器の損角の測定、インダクタンス線輸の實效抵抗及びインダクタンスの測定、抵抗器の殘留靜電容量の比較等を第五節乃至第七節に於て述べ、尚二三の測定成績とをの簡單な説明とを附加してある。

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