抄録
通常の大容量交流發電機をこれと等價なる對稱三相交流發電機と考へて求めた短絡電流と實際の突發短絡電流とを比較したるに、實驗の方が幾分瞬時短絡電流が大きかつたが大體一致せる結果を得た。
實驗の結果より過渡逆相イムピーダンス§2は定態逆相イムピダーンスZ2に殆ど等しく過渡正相イムピーダンス§1は其等より少しく小さかつた、併し乍ら何れの發電機に於ても§1はZ2の80%を降らなかつた、これは凸極界磁の影響ではないかと思はれる。
計算からは§1,§2は殆どZ2に等しくなつて近似式と正しき計算値とは良く一致した。又三相短絡の際の最大電流値と線間短絡の際の最大電流値とは、計算並びに實驗共に、三根短絡の方が大きかつた。
結論として斯くの如き凸極界磁の大容量交流發電機もこれと等價なる對稱三相交流發電機と考へて、實用上差支へない事が明かとなつた。