1929 年 49 巻 489 号 p. 405-418
本文は電氣收塵器の設計に際して、その閃絡電壓の決定に對する參考資料を得る爲になされた實驗結果の報告である。本實驗は同期電動機型機械的整流器に依つて、高壓交流より整流せられた高壓直流を電源とし、主として、二板の平行平面電極と其中央にそれ等に平行に吊された線條或は管との間の閃絡電壓を測定し、併せて電極間に存在する種々の煙塵の閃絡電壓に及ぼす影響を測定してある。其結果として、收塵器の運轉状態では、細い放電電極に對しては、其電極間が清淨な瓦斯であり電極面が平滑である場合の測定結果から見られる高い閃絡電壓を豫期する事は出來ないのみならず、場合に依つては、放電電極が細い程閃絡電壓が低くなる事を豫期しなければならない事に注意してある。