電氣學會雜誌
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低壓瓦斯放電回路特性と電源周波數との關係(第二報告)
淺見 義弘
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1929 年 49 巻 491 号 p. 710-723

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抄録

低壓瓦斯放電回路の不減衰高周波電源に對する特性研究である。電源としては可變周波數の三極眞空管發振器を用ふ。Cutput circuitには發振器回路と電磁的に疎に聯結せられたるresonance circuitを用ひその可變蓄電器端子に實驗すべき放電間隙を結ぶ。ある程度の氣壓に於ては高周波電源に對する放電現象は三種に分ちて考ふることが出來ることを知る。簡單に之をA型放電、B型放電、及びC型放電と名づく。大なる硝子器内に圓盤型、球型及び、その他特種の形の電極を入れて實驗したるに、A型放電は、一度C型放電が生じたる後に於て端子電壓を徐々に下げたる場合には生じたが、最初から低い電壓から漸次高めて行く場合に、C型放電より先きに生ぜしめることは不可能であつた。B型放電は、適當なる條件の許には、電壓を高め行く途中、C型放電に先んじて生ぜしめることが出來た。併しbeehive型で一方が圓板なるネオングリムランプを用ひると、端子電壓を漸次上げて行く場合にも、一度點火したる後徐々に下げて行く場合にも、以上の三種の型の放電を別々に生ぜしめることが出來た。この理由で、本實驗では、ネオンランプを用ひて三種の型の放電特性を詳細に研究す。電源波形としては正弦波及び直流に交流を重疊したる波形を用ゐた。そして、端子電壓を漸次高めて行く場合に、各種放電が生ずべき最小電壓の波頂値、及び一度かくして放電が生じたる後、漸次電壓を下げる場合に放電が維持せられる最小電壓の波頂値を眞空管を用ひて測定す。結果は圖にて示す。最後に實驗結果を理論的に説明す。使用せる交流の周波數は3.0×104回/秒から5.08×106回/秒程度である。

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