抄録
同一題目第三報告に於て,所謂B型放電の研究をなしたが,本篇は同型放電に關する其の後の研究報告である。種々なる電極の組み合せを有するネオン放電管,及び空氣放電管を用ゐ,それぞれ場合に於いて,氣壓を1/100粍程度から略大氣壓迄變化して,直流及ひ交流による放電状態を觀察し,ネオン放電と空氣放電とを比較した。以てネオン放電管中に於ける,所謂B型放電と,大氣壓空氣中に於けるコロナ(廣義の)との關係を檢した。次に,B型放電の直流及ひ交流に於ける機構を知る目的にて,適當なるネオン放電管を用ゐ,電極面の作用,遲れ及殘留效果の意義,程度等を解剖せんと企てた。即ち,一方の電極の大部分を雲母にて蔽うた場合の放電状況,適當なる衝撃試驗等をなし,又種々の周波數の交流によるEB1の變化交流に充分直流を重疊したる場合の周波數に伴ふEB1の變化及ひ種々の一定周波數に於ける交流に種々なる大いさの直流を重疊したる場合のEB1の變化等を測定した。衝撃試驗に用ひた時間は10-3~10-4秒程度であり,交流の周波數は商用周波數よりラヂオ周波數にわたる廣い範圍のもの,且つ連續的に變化し得るものであつた。結果は圖で示した。最後にB型放電の機構竝に實驗結果に就て論議す。