1931 年 51 巻 519 号 p. 656-666
著者は最近米國に於て,送電線の架空地線に傳導率良き導體を使ふことに依り一線接地の地絡電流を減少せしめんとする施設の實例を耳にし,我國の電磁誘導問題解決の一助ともならうと思つたので,之が理論的解法を試みた。そしてこの方法が地線の條數及太さに依り多少の差違あるも40-60%の減流作用あることを知り,尚内外に於ける實驗の例に就いても,その結果が著しく見當違ひでないことを確めたのである。154kV,200kmの想定線路に就いて種々の數字例を示した。因に此の方法に就いてはAntiinduction shieldと稱し米國の特許がある由である。