電氣學會雜誌
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液體絶縁物中に於ける表面電荷圖(第二報)
鳥山 四男
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1931 年 51 巻 519 号 p. 666-673

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抄録

本報告は液體絶縁物中に於ける表面電荷圖(第一報)の斷續である。第一に交流電壓を用ひ,電荷圖の大さと,電壓との關係に就て述べて居る。交流電壓の場合も,液體絶縁物の温度を上昇せしむれば,圖形の大さは小となる。又電荷圖は周圍の大氣壓を下げれば大となる。以上は衝撃電壓を用ひた時と殆んど同様である。
以上は液體絶縁物として變壓器油を用ひたが,次に色々の液體絶縁物中で電荷圖を求めた。此處で用ひた液體は石油,流動パラフィン,ザィロール,トルオール,ヘキサン,ガソリン,ペンゾール等である。其他種油,オリーブ油,リチネ,亞麻仁油,肝油等の中に於て實驗を行つたが,電荷圖を得る事が出來なかつた。之は液體の絶縁抵抗の少ない爲めに出來た表面電荷が,直ちに放電する爲めである事を知つた。
種々の液體絶縁物中に於て,衝撃電壓を加へた時の正電荷圖の直徑(D+)のと負電荷圖の直徑(D-)との比を求めた。同時に各液體絶縁物中に於けるPolarity effect及び衝撃比を求めた。而して之等三つの間に一定の關係ある事を述べて居る。
最後に液體絶縁體中に於て,硝子,水晶等の表面に,電荷圖の生ずる事を述べて居る。

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